2026 11.1 sun., 11.2 mon., 11.3 tue.
KIEFER
artist KIEFER
ブルーノート・レーベルからデビューを飾り、ネイト・スミスらとのリリースも話題のまさに時の人、キーファー。キーファーの今を見届けたいオーディエンスが会場にひしめいています。新作『Memory Bomb』とともに、ヴォーカルをフィーチャーしたキーファーの新たな地平が広がるステージとなりました。
ファラオ・サンダースのTシャツとオーバーオールの姿のキーファーは時間ぴったりに登場し「私はキーファーです!」と場を和ませます。ムーグシンセに合わせて、生演奏バージョンも人気の2019年作「Cute」でスタート。今回は、新作の共同プロデューサーで、シンセ使いの名人、エリック・シボスキーが操るサウンドメイクとベースの音作りも聴きどころです。ローズのきらめきはさらに増して、残響も相まってドラマチック。ステージでは、そんな音色づくりのために客観的に音色を確認しながら、3人が丁寧に音を出している様子でした。トリオ編成ということを忘れるくらい音の体感が分厚く、客席の動きもゆっくりと揺れていきます。新作のタイトル曲「Memory Bomb」で、抜けの良いスネアドラムを叩き出すのは、エストラトス。電子ドラムの音も、かつてのサンプラーを思わせる徹底した音作りです。彼はベティ・カーターのジャズ・アヘッドなどでいくつもの機関で学び、テリ・リン・キャリントンやタイショーン・ソーリーに師事。リムショットやシェイカーなど薄い音から、どこまでもグルーヴを広げて持っていける達人です。デビュー作からの「Beautiful Girl」は、古株ファンはもちろん、胸打つ旋律をローズで歌いながら弾くキーファーの姿には誰もが釘付けになりました。ハイライトは、代表曲「Superhiro」。テンポアップしたバージョンで、3人の音の重なりがどんどん高みに登っていき、フロアから拍手が沸き起こります。時に変拍子を挟む圧巻のドラミングに続くシボのベースは、ホットなフレーズだけ短く披露。どの音もグルーヴから外れてテクニックだけで空間を埋めることは消してありません。
後半は、数々の歌唱オーディションで認められる21歳のパリージタをフィーチャー。キーファーは、ローズとアコースティックピアノを使い分け、優れた伴奏者としての存在感を示します。パリージタは、手元のエフェクトを調整しハイトーンもうまくコントロール。シャーデーのカヴァー「Love Is Stronger Than Pride」、新曲「NewLevels NewDevils」と「BusyForYa」は、どれも新たなオーガニックサウンドに生まれ変わりました。スローでソウルフル、そしてその強固なグルーヴはクラブのサブウーハーをも鳴らしてくれそうな圧巻の音質です。ラストの「Everybody Loves the Sunshine」で、キーファーのアドリブはレイドバックしながらローズの美音でフレーズをループ。レコードの針飛びのようなアナログ感はまさにヒップホップトラックにも思えてきます。エモーショナルなコード選びを経てテーマへ戻る展開に、フロアは完全にノックアウトでした。アンコールは「Be Encouraged」。キーファーの恩師であるベーシスト、エイブラハム・ラボリエルとの毎週金曜日のレッスンの話をして「励まされ他者を励ますこと」というメッセージを今回も最後に伝えてくれたキーファー。あまりにもさりげなく、全てにピースフルで愛に溢れた彼のステージは、何度でも味わいたくなるはずです。キーファーのライブは11月3日まで開催です。
(2026 11.2)
Text by Hiroko Otsuka
Photo by Takuo Sato
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【LIVE INFORMATION】
coming soon








